今回のプレイは、FF1ピクセルリマスター版で「モンク×4」という縛りを入れて進めました。武器・防具は基本的に不要。魔法?知らない。必要なのは筋肉だけ。名前は北斗の拳ネタで付けたが、そこに深い意味はありません。
結果から言うと、この縛り、驚くほど強い。だけど、強いだけでは済まない。理不尽、乱数、状態異常、装備詐欺……筋肉だけではどうにもならない瞬間も多々あり。しかし、それもまたモンク縛りの醍醐味…。
序盤:ヌンチャクと皮装備の罠

冒険の幕開け。初期装備は杖と服──この舐めきった装備で世界を救うとか、笑わせてくれる。
すぐに町の店でヌンチャクを購入。攻撃+12という表示に「強いじゃん」と思って装備する。さらに皮の鎧も買って「よし、これで少しはマシだろう」と安心しかける。
しかし、敵との最初の戦闘で違和感。妙にダメージが出ない。試しにヌンチャクを外してみたら、なぜか素手のほうがヒット数が多く、明らかに火力が上がる…。
「え?武器持たない方が強いの?」
再度確認してみると、ヌンチャクは2ヒット止まり、素手は4ヒット。皮の帽子を装備すると回避率が落ちる。さらに防具を外したら防御力が上がる。意味不明…。

装備によるステータス補正が、むしろマイナスになっていることに気付き始める。しかも同じモンクなのにステータスの伸び方が微妙に違う。命中率、回避率、HP、攻撃力……全員違う。何がどうなっているのかさっぱりわからない。
この時点でようやく気づいた。「このゲーム、装備に関しては信用してはいけない」
FF1という古典にして理不尽の宝庫で、モンクの真の力を引き出すには、装備を脱ぐという発想が必要だったのだ。序盤からそんな裏切りを突き付けられるとは思ってもいませんでした(いい意味)。
中盤:毒と乱数と兄弟格差の地獄

エルフの町〜沼の洞窟にかけて、状態異常と格差社会に叩き込まれる。
毒サソリに全滅しかけ、あわててハイポーション17個、フェニックスの尾20個、毒消し33個を買い込む事態に。

それでも油断は禁物。レベル21の時点でHP格差が顕著に出始めました。最高HPは345、最低は261。攻撃力・命中・回避率も微妙にバラつき、装備の有無ではなく“乱数”で人生が決まっているような世界。
さらに気付いたのは、「戦闘不能=経験値が入らない」→被弾しやすいキャラがどんどん弱くなる…ということ。
並びを変えたりバランスを取るための調整プレイを…する気はありません。ジャギを先頭にするなんて出来ないので、拳で殴り抜けるのみ…。
後半:丸腰で挑む四大カオス戦
地底の闇(vsリッチ)
最初に対峙したカオスの一柱、リッチ。準備不足、回復アイテムもろくに持たず、ケンシロウは戦闘不能、トキも瀕死という絶望的な状態で殴り込むが、我が拳の勢いは止まらない…。

ギリギリの体力で殴り倒すという泥臭さ。クリティカルが出なければ詰んでた。リッチの魔法攻撃で何度も全滅がよぎるも、執念の素手でねじ伏せた…。
この勝利が後の暴力的な快進撃の礎となるのであった…。
グルグ火山(vsマリリス)

ここで立ちはだかるのは火のカオス・マリリス。この炎のダンジョンをモンクたちは気にせず丸腰で駆け抜け、熱さすら筋肉で耐えきる根性(めんどいから直進…)。
戦闘が始まると、力の薬で火力を底上げ。連続クリティカルが炸裂し、わずか2ターンでマリリスは灰に。炎のカオスが拳で消し炭になる瞬間を、目の当たりにした。

魔法による対策や属性耐性の話?そんなものはこの縛りにはない。あるのは素手と肉体。火力がすべてを解決。
海底神殿(vsクラーケン)
海の底で待つは水のカオス・クラーケン。こちらの先制で攻撃開始。クリティカル、クリティカル、クリティカル──気付けば1ターンで沈黙。クラーケンが何かを唱える前に沈めた…。

本来なら苦戦必至のはずが、まるでボーナスステージのような結末。何も身に着けず水に潜り、拳で深海の主を粉砕する。理不尽さすら爽快に感じるほど、拳が強かった…。
ミラージュの塔(vsティアマット)
天空に君臨する風のカオス・ティアマット。七つの首を持ち、あらゆる属性攻撃を使いこなす強敵。

だが、こっちには3つのクリティカルがあった。戦闘開始直後から怒涛の攻撃、力の薬で強化された拳が容赦なく叩き込まれ、3ターンかからず撃破。控えの1人は出番すらなし。
属性も耐性も関係ない。拳は全てを貫通する。もはや攻略ではない、これは処刑だった。
終盤:スーパーモンク化と“剣を拒む者たち”
バハムートの試練を越え、いよいよクラスチェンジイベントが発生──ここで改めて「誰をクラスチェンジさせるか?」という疑問が浮かんだ。個別にスーパーモンク化できれば、ケンシロウだけを進化させて“主人公補正”を演出したかったが、ピクセルリマスター版ではその選択肢は存在しない。ねずみのしっぽを渡した瞬間、全員一斉に変身する。個別選択なんてなかった。

半ば割り切りながら全員をスーパーモンクへ。見た目は昭和アイドル風にちょっと立派になったが、やれることは変わらない。ステータスは微増、攻撃手段は相変わらず素手オンリー。だがその潔さがまたよかった。
その直後、イベントでもらえるエクスカリバーを取りに行く。当然、誰も装備できない。だが逆にそれが良い。剣に頼らず拳で世界を救う者たちにとって、あれは象徴でしかない。選ばれたけど拒む。その姿勢がこの旅路を象徴している。

なお、装備において唯一信じてよかったのは、リボンと守りの指輪。この2つだけは素の防御や状態異常耐性に確かな効果があり、丸腰運用と両立できる実用装備だった。
最終決戦:カオスに挑む丸腰四狂大

回復アイテムはすべて90個以上に整え、リボン装備で状態異常対策も完備。丸腰、素手、拳のみ。それで挑んだ相手は、時を超えて全てを操る存在・カオス。
戦闘開始。開幕から力の薬を飲み、気合を込めた拳がうなる。通常攻撃にも関わらず、1発ごとのダメージが1000を超え、クリティカルが連発。カオスの強烈な攻撃に耐えながら、気付けば7ターン目。

そして8ターン目、拳が決着を告げた。剣も魔法も持たず、ただ拳だけで打ち倒すという筋肉による証明。その瞬間、画面に響く勝利の(脳内)ファンファーレが、全てを語っていた。
理屈じゃない。これはもうロマン。クリティカルが入れば神も死ぬ。それを身をもって証明した、丸腰四狂大(兄弟)による伝説のラストバトルだった。
プレイ後のまとめと感想

プレイ前は「ネタ枠」くらいに思っていたモンク×4だったが、実際に触れてみるとその実力は圧倒的だった。装備も魔法も必要なく、ただ殴るだけ。にもかかわらず、しっかり勝ててしまう。だが、だからこそ面白い。
攻撃は強烈だが、防御面では不安定。回避率や状態異常耐性に大きな穴があり、一瞬の判断ミスや乱数の機嫌次第で一気に崩れる。強いのに脆い──そんな危うさが、かえってゲームの緊張感を高めてくれた。
スーパーモンク化は性能的には、正直劇的な変化はなかった。それでも「丸腰のまま進化した」という事実が、プレイ体験の象徴として印象に残る。ラストで受け取るエクスカリバーが、装備できないまま「象徴として掲げられる剣」になるのも、この縛りプレイならではの味わいだった。
そして戦術は最後まで「殴るのみ」。だがその潔さこそが、この縛りの醍醐味だった。FF1というRPGの原点で、「火力こそ正義」という単純明快なルールに回帰する感覚。殴る。耐える。勝つ。それだけで十分だった。
モンク縛りプレイはこんな人におすすめ
- FF1を変な縛りで遊びたい人
- モンクって地味だと思ってる人
- 魔法に頼らず脳筋で殴りたい人
- 装備の常識を疑いたい人
「拳こそが、世界を救う。」
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